馴染みのないビジネスの決算書を見る時にやっていること~㈱高島屋2022年2月期決算~
- 佐藤篤
- 2022年4月15日
- 読了時間: 2分
百貨店とはほとんど縁のない人生を送っておりますが、たまに利用させていただくこともあり、その際は高島屋百貨店に赴きます。
他の百貨店のように「売ってやろう」という店員さんの気合のようなもの(?)があまりない気がして入店しやすいのです(個人の感想です)。
そんな高島屋百貨店を運営する株式会社高島屋(以下「高島屋社」)が2022年2月期の決算を発表しておりました。
百貨店ビジネスの財務諸表には馴染みがないので、興味半分で2022年2月期の決算短信を見てみることにしたのですが、そのような時は最初に大まかな貸借対照表のイメージを描いてみるようにしています。
その企業の特徴は貸借対照表に現れますし、その最初のイメージをベースにして実際に決算書を見てみると、理解が早いからです。
実際に決算短信を見る前の(連結)貸借対照表のイメージ
資産の部は現金預金、売掛金(クレジット債権)、商品在庫、建物関連固定資産、差入保証金、負債の部は買掛金、借入金、預り金(友の会)、預り保証金(テナントから受領分)が比較的多額だろうと想像しました。
実際に決算短信を見た後の当初イメージとの相違
資産の部の固定資産は建物以上に土地勘定が多額で、思っていたより自己所有が多いようです。逆に差入保証金は想像よりも少額でした。
また、リース資産とは別に使用権資産が有形無形とも計上されていたのは想定外でした。IFRSに準拠する在外子会社があるようです。
負債の部は預り金よりも前受金が多額でした。恐らく友の会の入金分は前受金で処理しているのだと思います。
そもそも何故友の会の入金額を預り金に計上していると思ったのかというと、解約によって現金で返金されるケースも少なからずあると想定したからですが、実際には相当少ないのでしょう。解約返金の場合、上乗せ分は無しになるので、当然といえば当然なのですが。
あと、預り保証金は計上されていませんでした。その他に含まれる程度に少額なのか、そもそもテナントから受領していないのかはわかりませんが、少々意外でした。
以上、私が馴染みのないビジネスの決算書を見るときに脳内再生されている内容でした。
百貨店はまだイメージしやすいですが、直感的に全く想像がつかないビジネスもあります。そのうち、そのようなケースの事例も記事にしてみたいと思います。
ここまでで結構な字数になってしまったので、高島屋社の2022年2月期の決算数値については別記事にしようと思います。
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