資金需要、FRBの利下げ、炭鉱のカナリア~最近の経済ニュース~
- 佐藤篤
- 2023年5月12日
- 読了時間: 2分
テレ東の経済ニュース(モーサテ)で、気になった解説のメモ書きです。
米国のシニア・ローン・オフィサー調査
過去の調査結果からすると、貸出基準を厳格化した銀行の割合(大・中小企業向け)が60%を上回ると景気後退に陥る。
最近発表された4月の調査結果では、貸出基準を厳格化した銀行は46.0%、その前の調査結果(1月)は44.8%だったので、若干の上昇にとどまっている。米国大手地銀破綻後としては意外性がある。
要因としては、借入の需要が減少しており、一般企業は銀行ほど資金繰りに困っていないのではないか、とのこと。
FRB利下げ開始の条件
過去の利下げは、インフレ率が2%程度まで下がった場合か、失業率が5%を超えて上昇した場合に行われてきた。
現在はどちらの状況からもかけ離れており、短期的にFRBの利下げが実施される可能性は低い。
炭鉱のカナリア
景気変調の予兆をいち早く投資家に知らせる指標として、従来ハイイールド債市場が有効とされてきた。
ところが現在は社債のスプレッドはほとんど上昇していない。
一方でレバレッジド・ローン(個人ではなく企業)指数は上昇してきており、こちらが新たな炭鉱のカナリアになり得る可能性がある。
ローンはFF金利にスプレッドを上乗せして調達する一方、社債は国債利回りにスプレッドを上乗せして調達する。FF金利は5%、10年債利回りは3.5%程度であり、ローンによる調達の方が苦しい状況にある。
実際、アップルが最近起債した5年社債の金利は4%で、FF金利を下回っている。
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