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航空券やホテル代の値付け~レベニューマネジメント~「企業会計」2024年7月号~

  • 佐藤篤
  • 2024年7月23日
  • 読了時間: 3分

先日、出張で1泊する必要があったのですが、ホテル代が普段の倍程度に設定されていました。

どうやら学会と重なったらしく、困ったことになったなと思ったのですが、何とか比較的安いホテルを見つけることができ、余分な出費をせずに済みました。


そんな時、「企業会計」2024年7月号の連載「会計時評」に「進化するレベニューマネジメント」(片岡洋人)と題された論考が掲載されていました。

ホテルの値付けについても触れられています。


レベニューマネジメントとは

  • 顧客への価値提案を通じて、企業の製品やサービスに対する顧客の需要に影響を与える、販売価格設定の差別化やその他の技術を包含したもの、もしくはそれらの技術・技法や概念を包括した総体を意味するもの。

  • 言い換えれば、レベニュードライバーを管理することによって、利益の最大化を目指す技法や活動の集合体のこと。多くの場合、価格が代表的なレベニュードライバーとなる。

  • 価格決定に関しては、所定のマス・マーケットを前提とした市価と需要量との積で自ずと決定されてしまうといった受動的な対応がなされてきたため、必ずしも十分に検討されてきたとは言えない。


初期のレベニューマネジメントの導入事例

  • 1980年代の航空会社において、顧客別、時期別、及び航空便別に、料金値下げによる需要喚起を狙う方法を生み出し、空き座席を有償顧客で満たし、収益を最大化させた。

  • 上記の手法を可能とする条件

一.大きな固定的キャパシティを保有している

一.キャパシティから供給されるサービスが保存不能である

一.固定費の割合が相対的に高いコスト構造である

一.需要の季節変動がある

一.ある程度需要が予測可能である


ダイナミック・プライシング

  • ダイナミック・プライシングとは、スポーツ観戦チケット販売や、航空業界・ホテル業界などで多く利用されており、販売実績や集客状況を、つぶさに、リアルタイムで把握し、その動向に応じて販売価格を適宜変動させる方策。

  • ビッグデータの分析により、適切な時機に、適切なキャパシティに対して、適切な価格を支払う意欲がある顧客を識別することが可能になった。

  • ダイナミック・プライシングには、システムへの過大負荷を解消・平準化する役割も期待されている(例.電力業)。


サービタイゼーション

  • 独自のサービスを付加する、サービスを組み合わせるといった、ソリューション・サービスを提供することで差別化を図る戦略。


感想

内容的には何となく知っている話が多かったですが、供給されるサービスの保存不能性という要件は、無意識に把握していたが言語化できていなかった部分で、これを認識できただけでも読んだ価値はあったと思います。

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