経理業務での生成AIの活用可能性~「企業会計」2024年7月号~
- 佐藤篤
- 2024年7月30日
- 読了時間: 2分
弊ブログではこれまでも何度か生成AIについて取り上げてきましたが、今回は「企業会計」2024年7月号の特集「経理の生成AI入門【導入検討編】」の「経理業務での生成AIの活用可能性」(島田武光)を読んでみましたので、メモ書きを記しておこうと思います。
経理業務における生成AI活用の目的
既存業務の効率化
データを利活用することにより経営意思決定をサポートすること(業務の高度化)
の2つに集約される。
既存業務の効率化場面における生成AI活用事例
対話型インターフェースによるコミュニケーション機能を利用した問い合わせ対応
請求書自動照合~生成AIにより各社フォーマットへの個別対応が不要となる可能性
手作業によるエクセル加工の効率化~多言語に強い生成AIの特徴を生かして、海外子会社からの現地語ベースのレポートを親会社側の日本語項目と自動で照合させる
名寄せ機能~あらゆるデータがユニークな番号を持っていない状況で、名称同士でデータを照合しなければならない場面での、生成AIの支援余地
レポーティングのドラフト作成
業務高度化領域における生成AI活用事例
業績予測分野における暗黙知の形式知化
データからのレポート化によるインサイト導出支援~データを元に記述統計や、そこから想定される事象をレポート化、作文させる
データ分析のアシスト
経費予算管理の高度化
経理DX推進のポイント
上述したツールを開発しても、完成した頃にはすでにアイディアが陳腐化していたり、大手のプラットフォーマーによる破壊的革新的機能を持ったソリューションが出てくる可能性があったりするため、アジャイルな組織体制を整えることが重要。
経理業務における生成AI活用の注意点
ハルシネーション(さも自然に嘘をつく)という欠点があることを踏まえ、
適材適所で既存のIT技術と生成AIを併用する
生成AIは最終決定者にはなり得ないため、最終責任を人間が負うように業務プロセスを検討することが肝要
感想
経理のDX化推進も投資である以上、回収不能になることは避けなければなりません。そういう意味で、アジャイルな組織体制の構築は重要な指摘だと個人的には思います。
そういっても、ウォーターフォールでやってしまっている企業も既にありそうですが。
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