米国株と製造業指数、国債金利よりスワップ金利、FRBの羅針盤~最近の経済ニュース~
- 佐藤篤
- 2023年1月27日
- 読了時間: 2分
最近のテレ東の経済ニュース(モーサテ)で気になった解説3つのメモ書きです。
米国株と製造業指数は連動
S&P500(2年移動平均からの乖離率)とISM製造業景気指数は高い連動性がある。
米国は今年景気後退に陥る可能性があるが、その場合、ISM製造業景気指数は40ポイント程度まで低下するのが通例。
直近(2022年12月)のISM製造業景気指数は48.4ポイントなので、これが実際に40ポイント程度まで下落するとすれば、S&P500も下落する可能性がある。
日本株についても、ドルベースのTOPIXはS&P500と概ね連動した動きをすることから、再度円安が進行しない限り、S&P500に連れて下落すると考えられる。
ドル円の為替レートは国債金利よりもスワップ金利と連動
昨年までのドル円為替レートは日米の国債金利差と連動していた。
現在、日本の10年国債金利と市場の期待を反映しやすい10年スワップ金利に大きな乖離が生じている。
その結果、現時点ではドル円為替レートは10年国債金利差よりも10年スワップ金利差と連動性が高い状況にある。
直近は共通担保オペの影響で日本の10年スワップ金利は低下傾向にある。
FRBが金融政策を決定するにあたって何を羅針盤としているのか
賃金上昇率
雇用コストインデックスはCPIコアサービス(除く家賃)及びCPI家賃と正比例の関係にある。失業率についてはこのような関係に無いため、雇用関係指標は賃金がポイントとなる。
期待インフレ率
最近のCPIの上昇にもかかわらず、長期インフレ期待は2%程度で安定し、大きな乖離は生じておらず、中長期的にはFRBへの信任は保たれている。
短期インフレ期待については、価格改定のノルムが2019年12月より2022年12月では高くなっている一方で、3年後インフレ期待の分布では回答者の上位25%・下位25%とも直近では低下傾向にある。
FRBが利下げに転じるためには、
賃金上昇率が3%超に向けてしっかり減速すること
短期インフレ期待も明確に低下すること
の両方が必要になると考えられる。
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