決算書から垣間見える「脱コロナ」~ファナック㈱、中外製薬㈱~
- 佐藤篤
- 2024年4月26日
- 読了時間: 2分
決算発表シーズンがスタートし、繁忙期にも関わらず、様々な会社の決算短信を眺めております。
まだ数社の決算書をみただけの個人的な印象ですが、2024年3月末決算は「脱コロナ」を感じさせる内容になっている気がします。
まずはファナック株式会社(以下「ファナック社」)です。
↓2024年3月期決算の連結経営成績です。

見ての通り、減収減益決算です。
一方、連結キャッシュ・フローの状況は以下↓の通りです。

通常、減収減益決算の場合は営業活動によるキャッシュ・フローも前年同期実績を下回ることが多いのですが、ファナック社は大きく増加しています。
要因を確認すべく、連結キャッシュ・フロー計算書本表をみてみます。

棚卸資産の増減が目に付きます。
恐らく、前期(2023年3月期)は部材不足の影響から在庫を大きく積み増していたのを、当期(2024年3月期)はその心配がなくなって適正水準まで減らすことができたのだと思われます。
多分、これから発表される製造業の決算も、ファナック社と同じようなパターンが散見されるのではないかと想像します。
次は中外製薬株式会社です。
↓2024年12月期1Q決算の連結経営成績です。

減収増益決算です。
それ自体は特段珍しくもないのですが、減収幅が半端ではなく、最初に見た時は会計方針の変更かと思いました。
実際はそうではなく、新型コロナウイルス感染症発症抑制薬である「ロナプリーブ」の政府納入が前期(2023年12月期)1Qで終了した影響で大きく減収したとのことで、ここでも「脱コロナ」を実感させられました。
それにしても、これだけの減収幅で増益というのは何とも不思議な気がします(疑っている訳ではなく、私が製薬ビジネスに疎いだけです)。
今は決算書をじっくり読む時間はないのですが、落ち着いたら謎?を解き明かしてみたいと(今のところ)思っています。
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