東京海上HD社長のインタビューを視聴しました
- 佐藤篤
- 2022年2月11日
- 読了時間: 2分
テレ東BizというWebサービスがあります。月550円でテレビ東京の経済番組をネット視聴できるというもので、半年ほど利用しています。
その中に日経モーニングプラスFTという番組があるのですが、2月10日の回に東京海上ホールディングス株式会社(以下「東京海上HD社」)の小宮暁社長が出演されていました。
特に興味があったわけではなく、何となく視ていただけだったのですか、東京海上HD社は大手金融機関の中でただ1社PBR1.0倍超であること、また、収益の半分が海外事業で、過去の海外M&Aが軒並み成功しており、今まで減損したことが無いという話が出てきて、これはちゃんと視ておこうと思い、メモをとってみた次第です。
M&Aについて
M&Aは手段に過ぎず、リスクを商品的、地理的、事業的に分散させることが目的
M&Aのメリットは事業基盤を獲得すること以上に優れた人材を獲得できることにある。
自然災害を考慮すると、グローバル化(地理的な分散)が経営基盤の安定に重要
次のM&Aについて、今は大型の案件は難しい時期だと考えている。「安かろう、良かろう」はない、ということ。
感想
市場からの利益拡大プレッシャーの中、M&Aは手っ取り早く事業規模を拡大できるので、それ自体が目的化してしまい、結果として割高な金額のM&Aを実行して失敗する事例が多い中で、とても冷静な視点をお持ちだと感じました。
保険業は金利上昇局面で株価が上昇する傾向があるので、今は大型M&Aは難しい時期だというご意見も、現在の市場環境と整合的です。
自動車保険について
政府が2025年をめどに自動運転レベル4の実現を目指している中、将来的に先細りになっていくが、買い替えサイクルの段階では様々な安全レベルの車が混在することになり、そういった状況では寧ろ自動車保険の重要性は高まっていく可能性がある。
自動運転による事故で責任の所在が不明確な場合、保険を利用しても無事故による保険料割引が変わらないような仕組みを導入する等、市場環境変化への対応は既に始めている。
感想
所謂差別化戦略で自動運転の普及へ対応していくという方針に感じられました。ただ、他社のキャッチアップが比較的容易な気もします。当然、次の打ち手も検討済みだとは思いますが。
番組内では、その一環なのでしょうが、ヘルスケア分野への事業拡大が描かれたフリップが映っていたのですが、具体的な内容には触れられずじまいでした。損保とヘルスケアが直感的には結びつきにくいので、その点のお話も聞いてみたかったのですが、残念でした。
留言