有価証券報告書の株主総会前提出、㈱進学会ホールディングスの恒例?リリース
- 佐藤篤
- 2024年4月5日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年4月8日
先日、テレ東のWBSを視ていて気になったニュースがありました。
ウォール街の”大物”が次々に来日して岸田総理と面会しているというニュース解説だったのですが、その中である”大物”が有価証券報告書の株主総会前提出を求め、それを受けて岸田総理が前向きに検討する考えを示した、という話です。
現在でもいくつかの会社は有価証券報告書の株主総会前提出を行っていますが、大多数は株主総会後に提出しており、恐らくそう遠くない将来に株主総会前提出が義務化されるものと推察されます。
この有価証券報告書の株主総会前提出、監査する側の立場としては、スケジュールや人繰りの問題はもちろんですが、もっとやっかいな問題があります。
企業は株主総会を「炎上」させないことにかなり気を使っています。
そのため、株主総会招集通知に添付される会社法ベースの計算書類等の記載に関して、監査人側からの訂正要求や追加記載要求に強く反対してくることが少なくありません。
一方、有価証券報告書については、株主総会後提出であることもあって、揉めることは比較的少ないのです。
つまり、有価証券報告書が株主総会前提出になることは、その記載内容を巡って、会社側と監査人側の間の火種が増えることを意味します。
ましてや有価証券報告書の記載ボリュームは会社法ベースの計算書類等の比ではありませんから、それだけ衝突する機会も多くなります。
会計士にとっては、気が重い制度変更です。
2024年4月2日に株式会社進学会ホールディングスが「連結子会社の保有する有価証券の評価損発生に関するお知らせ」をリリースしておりました(リンク)。
以下、当該リリースからの引用です。
日経平均株価の過熱感から下落に備えてインバース型ETFを中心として保有しておりました。その結果、△209百万円(第4四半期までの累計は△1,109百万円)の有価証券評価損を計上することとなりました。
弊ブログでも何度か取り上げておりますが、最早恒例リリースとなっています。
毎回「もう止めちゃえばいいのに」と思うのですが、そうもいかないのでしょう。
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