日銀YCC見直しの具体的な影響と予見可能性~最近の経済ニュース~
- 佐藤篤
- 2022年12月23日
- 読了時間: 2分
12月20日にまさかのタイミングでのYCC見直しが行われ、当日、翌日の経済ニュースはその話題で持ち切りでした。
その中で、具体的な影響についての解説がありましたのでメモしました。
このタイミングでYCCを見直した理由
名目金利は一定だが期待インフレ率が上がっていて実質金利が低下している。
春先よりも為替が安定し、米国のインフレもピークアウトで利上げの最終局面に入った。
実体経済への影響
銀行の国内企業向け貸出の7割は短期金利に連動しているので影響はないが、プロジェクトローンや社債の利払い負担は増加する。
住宅ローンは短期プライムレート連動で直ちに支払額が増加する訳ではない。但し、これから固定金利で借りる場合には影響があり得る。
国の国債利払い費も増加するが、影響は限定的。
地銀の国内債含み損が増加することで、貸出余力の低下が起こる。
新興国債務における円建債務の割合はここ数年で大きく減少しており、影響は小さい。
感想
ネットのニュース記事では、住宅ローン負担が増加するような見出しをつけて不安を煽っていますが、心配する程の影響は無さそうですし、その他の項目についても、銀行の貸出余力の低下を除いて、影響はあまり無さそうです。
それならもっと早くYCC見直せたのでは、とも思うのですが、やはり米国のインフレがピークアウトしてFRBの利上げ打ち止めが視界に入るまでは難しかったのかも知れません。
その他
YCC見直し自体にも驚きましたが、その前日(12月19日)に「やるなら今だ」とTwitterでつぶやいていた方がいて、それには更に驚かされました。
何故今なのか、その方曰く、
クリスマス休暇で海外勢がいない
先物のロールが終わって全体的にショートが少ない
年が明けると投機勢が戻ってくる
ということのようです。
見る人が見れば、ここしかないというタイミングだった訳です。
完全に虚を突かれた私は唯々感心するのみでした。
Comments