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四半期開示見直し議論の現在~「企業会計」2023年2月号~

  • 佐藤篤
  • 2023年2月24日
  • 読了時間: 2分

「企業会計」2023年2月号の記事『四半期短信への「一本化」議論も大詰め』を読んでみました。


まず始めに、当該記事に以下の記載があります。

将来的な企業開示制度の方向性については多様な意見が示されたが、今回の制度改正の主眼である、四半期決算短信への「一本化」の論点については、各委員の意見はある程度収斂に向かっていたように思える。


そういう訳で、以下に記載する内容で四半期開示制度の見直しは固まるのではないか、と思われます。


以下、当該記事からのメモ書きです。


金融庁が考えられるとした将来的な方向性

  • 期中において、発生した又は決定された重要な事実について、信頼性を確保しつつ、適時に開示することに重点を置いた企業開示制度へ見直していく。

  • これを踏まえ、四半期決算短信について、「当面は一律義務付けとするが、今後、適時開示の状況を見ながら、任意化のタイミングについて継続的に検討」する方向性を示した。


監査人のレビュー

  • 第1・第3四半期開示を四半期決算短信に「一本化」する際に、監査人のレビューを求めるかについて、金融庁は、「第1・第3四半期については監査人のレビューを任意とするが、会計不正等が起こった場合には、取引所の規則により、監査人によるレビューを一定期間義務付け」る方向性を示した。

  • IFRS適用企業においては、レビューを前提とすれば、IAS第34号に基づく広範な開示が必要となり、企業の開示負担は減らず、決算発表が遅れてしまうという問題がある。


虚偽記載に対するエンフォースメント

  • 「取引所のエンフォースメントは、引き続き適切な運用を実施」するとして、今回の改正では、四半期決算短信の臨時報告書としての提出は求めない方向性が示された。

  • 臨時報告書としての提出を義務付ければ、多くの企業は監査人のレビューを受けると考えられるため。


「一本化」後の開示内容

  • 現行の四半期決算短信の開示事項をベースに、投資家からの要請が強いセグメント情報、キャッシュフロー情報等を追加することを提案している。


感想

四半期開示制度の見直し議論を、

  • 開示する企業側vs監査する監査人側

  • 規制される企業側vs規制する金融庁側

の利害対立と捉えた場合に、今回の改正の方向性は企業側への配慮が勝っているように感じられます。

一会計士として不安しか感じませんが、そう言っても監査人側のポジショントークと切って捨てられるだけでしょうね(笑)


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