原価計算の監査手続~自主規制(監査・自立審査会)からのメルマガ~
- 佐藤篤
- 2023年11月7日
- 読了時間: 2分
先週のエントリーでは原価計算研究について取り上げましたが、先日送られてきた自主規制(監査・自立審査会)からのメールマガジンも原価計算に関する内容でした。
この自主規制(監査・自立審査会)からのメールマガジン、特に登録した訳でもなく勝手に送られてくるのですが、いつも一読するようにしています。
ところで、そのメールマガジン、送付目的について、本文に以下のように記載されています。
当審査会では毎年、監査提言集を発行しています。
皆様の監査実務の気付きとなりますよう、その提言集の掲載内容を中心として、コラムや監査事例、又はその時々のホットなトピック等を毎月お届けします。
実際、毎回「なるほど」と思わされる内容になっていて。直近分が原価計算関連だったという訳です。
原価計算の監査は、会計士になりたての頃、最も難儀した監査科目の一つでした。
今では、期中監査の段階から原価計算のロジックを確認して、システム評価を実施し、決算時のチェック用ワークシート等も整備されていると思うのですが、当時は手続書も整っていないエンゲージメントが多く、前期調書を当日渡されて「これ見て」と指示されて作業するのが当たり前でした。
前期調書があればまだ良い方で、数年に1度の工場往査だとそれすら無いことも当たり前で、何をどうすればいいのか途方に暮れた記憶があります。
結局は原価計算システムの帳票同士の数値を繋げてみたり、製品勘定・仕掛品勘定の前年同期比較や回転期間分析をしたりして、何とか形だけ整えるような始末でした。
で、件のメールマガジンでは、原価計算の内部統制検討について、以下のように記載されていました。
システムへの入力や、システムからの出力結果を利用した仕訳計上に係る手作業の統制を検討することはもちろんですが、システムを利用しているのであれば、構成する原価の集計や製品・仕掛品・売上原価等への配分が、システム内でどのように実施されるのかという点についても、理解が必要でしょう。
会社の担当者からシステム内で実行される処理の説明を聞いて終わりとするのではなく、実際に説明どおりのシステム処理となっているか、仕様書の確認等を通じて検討することも求められると考えられますので、留意が必要です。
極当たり前のことしか書かれていませんが、いつもはもう少し気付きのある内容です。
来月分を楽しみに待ちたいと思います。
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