内部通報者へのヒアリングのコツ~「会計・監査ジャーナル」2024年3月号~
- 佐藤篤
- 2024年3月19日
- 読了時間: 2分
「会計・監査ジャーナル」2024年3月号の連載「公認不正検査士の不正調査手法」は『内部通報事案における不正調査の実務第4回「内部通報担当者から見た会計不正を想定した調査ポイント」』(瀧澤武)でした。
この記事の中の「内部通報者へのヒアリングでの留意ポイント」がいろいろな場面に応用できそうと感じましたので、メモ書きをシェアしたいと思います。
傾聴スキル
いきなり本題に入らないで、世間話等アイスブレイクから入る。
通報者が話をしている途中で遮らない。一方で、担当者が話をしている最中に通報者が話し始めることを妨げない。
事実関係の整理
担当者の先入観により中途半端な理解になってしまうことを避けるため、時系列をメモや簡単な図にまとめて、お互いの理解に齟齬がないか確認する。
前後関係や時系列が曖昧な場合は、ゆっくりと通報者と確認する。
理想論や説教は厳禁
通報者に徒労感を与え、担当者への信頼感をなくし、現状把握が事実上不可能となってしまう。
密室でのヒアリングを避ける
通報者の不満が強い場合、そのはけ口が担当者に向いてしまう恐れがある。
異性間であれば、あらぬ誤解を招く恐れがある。
上記のようなトラブルを避けるためには、職場以外のファミリーレストランやファーストフードチェーン店などが便利。
感想
会計監査人が直接内部通報者からヒアリングする機会はないのですが、仕事はもちろん、それ以外でも役立ちそうな知見だと思います。
一方で、内部通報制度を実質的に骨抜きにしたい経営者は、ヒアリング担当者に、傾聴が出来ず、説教臭い、居丈高な人を配置するといいかも知れない、と意地の悪いことを考えてしまいました。
逆に、そのような人が内部通報対応担当者である会社の従業員の方は、経営者の誠実性を疑ってみた方がよさそうです。
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