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使用人不正と重加算税

  • 佐藤篤
  • 2020年11月4日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年7月9日

弊事務所では税務業務をお請けしていないのですが、それでも税務の知識が必要であることは言うまでもなく、空いた時間などを使って勉強しております。

その一環で会計監査ジャーナル2020年11月号を読んでおりましたら、「おっ」と思うケースが記事として取り上げられていました。


その内容なのですが、使用人による不正行為(例えば外注費の架空計上による着服)にかかる被害者である法人側の損金過大計上について、当該法人の隠ぺい仮装行為であると認定され、重加算税が課されるケースがある、というものです。

使用人による不正行為の被害者である法人が重加算税を課されるのは、感覚的には納得感が低いところですが、税務実務上は言うまでもなく、判例・裁決例でも支持されている取扱とのことです。


これは、重加算税の制度趣旨が納税義務違反の抑止を目的としているものであり、運用を厳格に行うことがその目的に適うということから来ているようです。

一方で、使用人が、会社のためではなく、私腹を肥やすために着服を行ったケースでは重加算税の適用が見送られた採決例もあり、その判断のポイントとしては不正行為者である使用人と納税者である法人との一体性が認められるか否かにあるようです。


とはいえ、法人側に重加算税が課されることが原則的な取扱のようです。

確かにそうにしないと、法人の納税額圧縮を目的とした不正行為を一使用人に押し付けて重加算税を免れるケースが出てくるのは想像に難くないところです。

この辺りの税務実務については、マネジメントポジションにある方は頭の片隅に置いておいた方が良い内容かと思います。

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