会計監査現場におけるAIの導入状況
- 佐藤篤
- 2024年4月30日
- 読了時間: 2分
先日、JICPAの研修「公認会計士に求められるAIの知識」(講師;守泉誠先生)を視聴しました。
2時間の講義で内容は多岐にわたるのですが、その中の一パートとして公認会計士の現場におけるAIの導入状況の紹介がありました。
大手監査法人に所属している会計士にとっては特に目新しい内容でもないのでしょうが、個人開業している身としては、とても興味深い内容でした。
ChatGPTの最新モデル(ChatGPT4)が米国公認会計試験(合格率約50%)の合格ラインを上回った。
AIを活用した自律型ドローンを使用し、在庫のカウントと観察を実施。その効果は、ドローンが人間と同じタスクを、伝統的な方法よりも300倍の効率(時間とコストの節約)で実行できた。
監査対象企業の主要な顧客に関連するインターネット上の破産申請の公開に基づいて、可能な売掛金の回収リスクを監査人に知らせる。
IBMの機械学習アルゴリズムを利用してIFRS16リース会計の順守を支援する。
構造化データ(総勘定元帳)と非構造化ソースドキュメント(紙ベースの請求書、メール、インスタントメッセージなど)からデータを読み取る。その後、データは会社の記録と照合され、不一致がある場合は人間によるレビューのためにフラグが建てられる。ここまで数時間かかっていた作業が数分に短縮された。
機械学習アルゴリズムを使用して総勘定元帳全体を分析する。その後、総勘定元帳のデータをベンチマークと比較して、取引を3つのリスクカテゴリー(低、中、高)にグループ化する。
感想
例えばグローバル展開している製造業の会計監査で棚卸資産のリスクが高いと判断された場合、その低減のためには決算日に全世界で100人の監査人が実地棚卸の立会をする必要があると見積もられても、人繰りやコストの問題で現実には実施不能です。
これがドローンを使うことで実施可能となったら、監査の効果も効率性も飛躍的に高まります。
その他のAIツールも興味深いものばかりです。
究極的には会計士はサインする人だけ居ればいいという姿に落ち着くのかも知れません。
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