リモート決算・監査の課題
- 佐藤篤
- 2020年10月12日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年7月8日
中央経済社から『企業会計』という月刊誌が発行されておりまして、その2020年10月号において「リモート決算・監査をどう乗り越えるか」という特集記事がありました。その中で気になった点や面白かった点を数点抜粋して、感想をまとめてみました。
過去の貸倒実績率を用いることの妥当性
これは実際監査の現場でも問題になった点で、貸倒実績率の見積もりにあたってリーマンショック後の貸倒実績を参考にしたケースもあるようです。
テレワークは決算業務の属人化の見直しに有効
決算に限らず、業務の属人化の問題はどこにでもあるもので、自分のポジションを確保するために意図的にノウハウをマニュアル化させない人もおり、そこをどう切り崩していくのかが最大の問題だったりするケースもありますね。
富士通㈱は4月から完全にテレワークへ移行し、紙への印刷物も8割減少させた。
富士通さんはあれだけの大企業なのに早々にテレワークへ移行し、しかも緊急事態宣言解除後もテレワークを原則とすることで通勤手当を廃止しており(代わりにテレワーク手当が支給されるとのこと)、そのスピード感には驚かされます。
棚卸立会が実施できなかった監査先については、最新テクノロジーを用いた代替手続を行った。
これは会計監査人サイドの記事なのですが、個人的には棚卸資産に重要性がある会社で棚卸立会が実施できなかった場合に、無限定適正意見を出すのは厳しいのではないかと思っています。この最新テクノロジーを使った代替手続がどういったものなのか、個人的にはとても興味があります。
Web会議による双方の認識のズレについては複数の当該特集執筆者が記載していた。
対応策として、Web会議では発表者の他に利き手を一人設定し、2者のやりとりという形にすると他の参加者も聞きやすくなるとのことで、これは採用してみたいと思いました。
以上、簡単な感想でした。
今回は触れませんでしたが、監査役視点からの記事もあり、様々な立場の方の今後の業務の参考になる特集記事でありました。税込2,710円と決してお安い雑誌ではないですが、図書館での取扱もありますし、気になった方はご一読されることをお勧めいたします。
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