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ランサムウェア被害、上場廃止の決定~最近の企業関連情報~

  • 佐藤篤
  • 2024年3月26日
  • 読了時間: 3分

定期的にチェックしていたJPXの有報提出期限延長会社一覧ページの確認を暫く怠っていて、久々にみてみたところ、日東製鋼㈱が延長申請の承認を受けておりました(リンク)。


提出延長申請に至った要因はランサムウェア被害によるもので、1月16日に攻撃を受けたとのことです。

被害状況については以下のように記載されています。

一部のサーバーでランサムウェアが実行され、サーバーに保存していた各種業務データ、業務用ソフトウェアが暗号化され、一切、アクセス不能となりました。そのことにより、生産・販売システムへの入出力、会計伝票の入出力及び連結子会社4社の伝票入出力等を行うことができなくなり経理業務や製商品の受発注、製造などの主要業務及び連結子会社の第3四半期の決算資料作成を行うことができなくなる支障が発生しました。また、パソコンを使用不可にしたことからメールの授受ができず、FAXや電話でのやり取りとなり、業務全般の事務に多大な影響が生じました。

 

ただ、2月13日には全面復旧できたとのことで、2024年4月期の第3四半期報告書は4月10日に提出する予定のようです。

過去の他社の被害状況と比べると軽めで済んだ印象で、不幸中の幸いでありました。 


 

以前、東証への業務改善報告を断念したとして弊ブログで取り上げた㈱アルデプロですが、計画通り?4月23日をもって上場廃止となることが決定したようです(リンク)。

以下、結論からの引用です。

同社は内部管理体制等の改善の前提となる改善計画書の策定を断念しており、その方針の転換がなされる事情も存在せず、また、改善計画書の策定とは別に行う予定の再発防止のための対応の内容も内部管理体制等の改善という観点からは不十分であることから、内部管理体制等の改善の前提となる改善計画そのものが存在しない状況であると認められました。このため、同社の内部管理体制等について、現に改善の見込みがなくなったと認め、同社株式の上場廃止を決定し、整理銘柄に指定することにしました。

 

このような状況でも、2024年3月15日に2024年7月期の第2四半期報告書が提出されています。

ザっと眺めただけですが、上場廃止(の可能性)については、第2事業の状況1.事業等のリスクで触れられています。

また、第4経理の状況では、重要な後発事象として2024年2月15日付で監理銘柄(審査中)に指定された旨が開示されています。

これを受けて、監査法人の監査報告書には強調事項が記載されています。

 

印象としては、重要な後発事象の記載はかなりあっさりしている一方、事業等のリスクは結構しっかりした記載になっている気がしました。

GCには該当しない(はず)ですし、このレベルの開示で過不足ないのかも知れません。

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