SPCを使った連結除外~ENECHANGE㈱~
- 佐藤篤
- 2024年4月2日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年4月4日
2024年3月29日、ENECHANGE株式会社(以下「EC社」)が「2023年12月期有価証券報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出のお知らせ」(リンク)をリリースしておりました。
ザっと読んでみたところ、以下のような内容でした。
下記の2点について、EC社は会計監査人と協議してきた。
1.新規事業であるEV充電事業において、EC社グループが採用するSPCスキームにおけるSPCをEC社の連結範囲に含めるべきか否か
2.本SPCへの出資者が有するEC社に対するプットオプション(EC社又はEC社が指定する第三者に対する出資持分の買取請求権)の将来的な行使に備えて引当金の計上をすべきか否か
会計監査人より、EC社から会計監査人に対して本SPCの連結要否の検討に必要な情報が当初は十分に開示されておらず、追加的に開示された情報を踏まえると、本SPCをEC社の連結範囲に含めるべきであるとの結論にいたった旨の連絡を受けた。
これに従って、本SPCを連結範囲に含めることとした。
これは所謂SPCを用いた連結除外で、令和のこの時代でもまだ利用されていたのか、と変な意味で感心させられました。
何せ、この方法が有名になったのは、2001年のエンロン事件でしたから。
また、この決算訂正に伴う影響は、3月27日にリリースされていた「外部調査委員会の設置及び2023年12月期有価証券報告書の提出期限延長申請の検討に関するお知らせ」(リンク)によると、売上高22億円程度の減少、営業損失8億円程度の増加及び経常損失9億円程度の増加が発生する見込みとのことです。
EV充電設備の売却関連損益が除外される一方、減価償却費と運用コストが上乗せになる結果と思われます。
さらに悪いことに、上記とは別のEV充電事業における取引の会計処理に関しても疑義の指摘を受けているとのことで、最早何と言っていいのかわからない状態になっています。
恐らく現会計監査人は契約継続しないと思われますが、このような状況で果たして次の受け手が現れるのか、上場維持できるのか、今後の展開が気になるところです。
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