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「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項」の感想

  • 佐藤篤
  • 2021年2月22日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年6月22日

2021年2月12日にリモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項」が日本公認会計士協会からリリースされておりました。これは以前に当ブログで取り上げたリモートワーク対応第2号「リモート棚卸立会の留意事項」と同じ建付けの報告書になります。


実際に読んでみる前は、おそらくPDF変換に伴う改ざんリスクについての取り扱いてあり、具体的な内容としては原本との照合を後日実施する、PDF変換に係る内部統制が存在する場合はその評価を実施するといった内容なのだろうと想像しておりました。

そして実際に読んでみた感想としましては、ほぼ想像通りの内容で意外性のあることは書かれていないという印象です。あまりトリッキーな内容をリリースされてしまうと現場サイドが混乱してしまいますので、そういった意味では穏当な内容の報告書だという印象を受けました。PDF変換に伴う改ざんリスクというのは、従来から存在する原本を確認するかコピーで済ませるかという問題と本質的には変わらないわけでありまして、そういった意味でもそもそもトリッキーな内容にはなり得ないのでしょう。


一方で想定していなかった点は、PDF変換をどこ(監査人、被監査会社、被監査会社の取引先)が依頼するか、そしてどこ(被監査会社、被監査会社の取引先)がPDF変換を実施するかで場合分けがなされていることでした。私が勝手に監査人の依頼によるPDF変換だけを対象とした報告書だと思い込んでいただけのですが、被監査会社が通常業務としてPDFへの変換を行っている場合への対応も含有した報告書となっています。


また、当該報告書には別紙があり、その中でPDFソフトによるサインアップ機能のことに触れられていました。恥ずかしながらそういった機能があることを知らず、今回の報告書を読んで初めて知ったわけです。「随分別紙のページ数多いなあ」と最初に思ったのですが、ほとんどがこのサインアップ機能の使い方説明に費やされています。

実際問題このサインアップ機能を使っても改ざんを完全に防ぐことはできませんが、牽制の一つにはなるのかなという気はしました。


最後に、当報告書でも「リモート棚卸立会の留意事項」と同様新たな要求事項を設けるものではない旨明記されていることは申し添えておきます。

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