MBOの流行
- 佐藤篤
- 2023年12月5日
- 読了時間: 2分
大正製薬ホールディングス㈱や㈱ベネッセホールディングスなど、最近MBOする企業が多いなあとボンヤリ思っていたのですが、経済ニュースでも取り上げられていて、その背景の説明がなされていました。
単年度業績に捉われずに事業構造改革が出来る。
東証が打ち出している市場区分の見直しに関するフォローアップに関連して、対応すべき事項が多く、負担が重い。
業績改善しても株価が反応せず、上場している意義が乏しい。
こと「最近多い」という点にフォーカスして付け加えると、東証だけでなく、SDGsやESG投資などの金を生むのかわからない要求事項への対応負担もありそうです。率直に言って面倒くささを感じても不思議ではありません。
また、日本の金利上昇観測が高まっている中、今のうちに有利子負債を用いて非上場化してしまおうという思惑もありそうです。
ちなみにMBO候補企業としては、創業家やその他の安定株主の保有比率が10〜20%以上、約5年間の株価パフォーマンスがマイナス(GS)とのことで、「こういう企業少なくなさそうだな、今後も出てきそうだな」と感じています。
翻って会計士業界にとっては、MBOによる上場企業の減少は、会社法監査は残るにしても、上場時ほどの監査報酬は望めないことから、市場規模の減少に繋がります。
加えて四半期報告書制度廃止による監査報酬減額圧力もありそうです。
たまたま重なってしまっただけだと思いますが、一時混乱しそうな気もしています。
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