2024年の倒産増加要因、「中年の危機」ビジネス
- 佐藤篤
- 1月14日
- 読了時間: 3分
更新日:1月16日
今回は個人的な雑感2本です。
最近、以下の記事を立て続けに目にしました。
経営コンサルの倒産について、当該記事では、開業ハードルが低い一方、近年はDXやM&A等の専門性が求められることから、ニーズに応えられない業者が売上不振に陥って倒産に至るケースが多いという分析でした。
また、2024年の「休廃業・解散」した企業に係る記事については、代表者の高齢化と事業再生ガイドラインなど「円滑な廃業」に向けた取り組みの進展が主な要因と分析されていました。
これらの分析に異論はないのですが、加えていずれのケースでも、コロナ禍での支援融資の返済開始もその要因なのではないか、と想像しています。
もともと返済する気がなく、返済開始のタイミングで破産する計画でコロナ支援融資を受けた企業・経営者もあっただろうと当初から推察していました。
コロナ支援融資は全額信用保証協会の保証が付されていて、貸倒れても融資した金融機関には実損が発生しないため、今後の関係を気にする必要がない点も「バンザイ」を後押ししている気がします。
高齢化等による廃業は別として、経営コンサルは、その開業ハードルの低さを生かして、名称を変えてしれっと復帰するケースもありそうだな、と思っています。
年末年始はNHKラジオの語学講座がお休みになるため、この時期は杉田敏先生の季刊テキストを使って勉強するのですが、テーマが「中年の危機」でした。
Wikipediaによると、中年の危機とは、中年期特有の心理的危機、また中高年が陥るうつ病や不安障害のことを言う、のだそうです。
ところで最近、年齢の近い知人達がアクティブに世界のあちらこちらに旅行したり、新たな趣味を始めたりとエンジョイし始めています。
彼ら彼女らが口を揃えて言うのは「人生、いつ何が起こるかわからないのだから、楽しめるうちに楽しんでおかないとね」ということです。
確かに中年真っ盛り世代ともなると、すでに亡くなった同世代の友人知人の一人や二人はいて、係る発想になるのも理解できるところです。
が、それにしても示し合わせたかのように皆同じような行動をとるので何なのだろうと考えていたのですが、これは「中年の危機」を利用した一種のビジネスなのではないか、と勘繰るに至りました。
50代ともなれば、子供も就職して経済的余裕が生まれる人も多いですし、それを見越して旅行商品や趣味性の強い商品等を売ろうと考えるのは、ビジネスの発想としては合理的です。
そうであるとすると、「中年の危機」という概念自体、ビジネス目的で生み出されたのではないかと疑いたくもなります。
何年後か何十年後かに訪れる今際の際に「あのとき~に行っておいて良かった」と思えるかも知れず、動ける内に動いておくという事自体に異論はないのですが、「それにしてもなあ」という想う今日この頃です。
Comments