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四半期開示制度見直し後の半期報告書制度~「企業会計」2023年5月号~

  • 佐藤篤
  • 2023年5月30日
  • 読了時間: 2分

今回の四半期開示制度の見直しにあたって、個人的には、一部の非上場会社に課されている半期報告書(と中間監査)の取り扱いが気になっていました。


見直し後の上場会社等の第2四半期に係る法定開示が従来の四半期報告書レベルに留まる一方で、非上場会社の半期報告書が何ら改正されないとすれば、上場会社等よりも非上場会社の方が開示に関する負担が大きくなるという矛盾が生じかねないからです。


そこで、「企業会計」2023年5月号の特集「四半期開示見直しが残した課題」の中から「半期報告書と中間監査」(弥永真生)を読んでみました。


  • 2022年12月27日のDWG報告では「金融商品取引法において、第1・第3四半期報告書を廃止した後、上場企業は、開示義務が残る第2四半期報告書を、同法上の半期報告書として提出することとなるが、(中略)上場企業の半期報告書については、現行と同様、第2四半期報告書と同程度の記載内容と監査人のレビューを求め、提出期限を決算後45日以内とすることが考えられる。」とされた。

  • 非上場企業は、「今回の四半期開示の見直し後においても、上場企業に義務付けられる半期報告書の枠組み(現行の第2四半期報告書と同程度の記載内容と監査人のレビュー、45日以内の提出)を選択可能とすることが考えられる。」とされた。

  • 現行の第2四半期報告書と同程度の記載内容と監査人のレビューで3ヶ月以内の提出を非上場会社に認めない理由、むしろ、45日以内の提出でなければ、現行の半期報告書および中間監査を要求することの必要性が示されていない。すなわち、上場会社については個別中間財務諸表や一定の非財務情報の開示を要求する必要がないという判断をしつつ、非上場会社にはそのような情報開示を要求する必要性があると言えるのかという問題がある。

  • 非上場会社の中間財務諸表・中間連結財務諸表についてレビューよりも高い保障水準の中間監査を要求する必要性があると言えるのかという問題もある。


感想

現在半期報告書(と中間監査)が課されている会社で、45日以内に新半期報告書の作成と監査人レビューを終わらせることができるのは、体制的に少数に限られる気がします。

せめて60日位に緩和してあげても良いのではないか、と思うのですが。




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